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二人目の恋は、高校に入ってから。
忘れられない恋を忘れようと、焦っていた。そんな時に出会った人だった。
吹奏楽部のOBで、大学生。
格好良くて、優しくて、みんなの憧れ。
――もう二度と、同じ間違いを繰り返したくない。
そう思って、今度は積極的に自分の気持ちを告げた。
嬉しい、楽しい、ありがとう。
好きです。あなたに会えて本当に良かった。
彼も、満更でもなさそうに私を連れ出してくれた。映画館、水族館、遊園地にプラネタリウム。
それでも彼は、『付き合おう』の一言は言わなかった。
時々、彼の携帯電話が光っているのが目に入った。表示されるポップアップ。それは、家族のように親しい女性から。
だから、どこかでは分かっていたのに。
彼は、部室でOB仲間と笑っていた。
『付き合ってるの?』
『ううん。……でも、勿体ないだろ? リアルJK』
私は、部活に行くことが出来なくなった。
どこまで知れ渡ってしまっているのか――人の目が恥ずかしくて、怖くって。
私は、彼に何を捧げてしまったのだろう。
自分の馬鹿さ加減を、ただ悔やむことしかできなかった。
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