第壱章 ~Destined encounter~ / 第1話 ~冥王界~

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 人? 誰か、居るの……?  あたしの顔を覗き込んでいたのは、着物を身にまとった美少女だった。ノースリーブの水色の着物に、紅白の菊綴(きくとじ)が付いた赤い袴、腕には白い着物の袖がリボンで固定されている。  この人は……誰!? これは夢!? 現実!?  混乱する頭を押さえながら、ゆっくりと体を起こす。 「あ……あの……ッ」  麗しい顔に薄化粧を施し、長い黒髪をあたしと同じポニーテールのようにした美少女は、優しく微笑んだ。 「怖がらないで、味方です。ところで、名は何と?」 「え、えっと……織田原萌華……といいます」 「萌華殿……良き名ですね」  名前を名乗った時、彼女が一瞬だけ目を見張ったように見えたのは、気の所為(せい)だろうか?  それに……萌華殿
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