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人? 誰か、居るの……?
あたしの顔を覗き込んでいたのは、着物を身にまとった美少女だった。ノースリーブの水色の着物に、紅白の菊綴が付いた赤い袴、腕には白い着物の袖がリボンで固定されている。
この人は……誰!? これは夢!? 現実!?
混乱する頭を押さえながら、ゆっくりと体を起こす。
「あ……あの……ッ」
麗しい顔に薄化粧を施し、長い黒髪をあたしと同じポニーテールのようにした美少女は、優しく微笑んだ。
「怖がらないで、味方です。ところで、名は何と?」
「え、えっと……織田原萌華……といいます」
「萌華殿……良き名ですね」
名前を名乗った時、彼女が一瞬だけ目を見張ったように見えたのは、気の所為だろうか?
それに……萌華殿?
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