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あたしは彼女に教えられ、引き戸を開けて外へ出る。裏口なのだろう――小さくて、あまり目立たない扉だ。
建物から出た所は、細い道だった。両端に和風の建物が並んでいて、道はコンクリートではなく、土だ。
あれ? ここってどこなんだろう?
自分が居る場所に違和感を覚えながらも、あたしは細い道を歩く。
こんな和風の建物に挟まれた道なんて、病院の近くにあっただろうか?
細い道を抜けてみると、映画村のような風景が広がっていた。
「!!」
水干を着た少年達、刀を腰に差して袴を穿いている武士、裃を身にまとう武士も居れば、日本髪の女性達も居る。
一言で言えば、様々な時代の格好をした日本人が和風の町を行き来しているのだ。
え……? 何? 映画村?
病院に居たはずなのに……!
とにかく、ここがどこなのかを把握するべきだ。
あたしは近くに立っている、日本髪の若い女性の元に歩み寄った。知っている人が1人も居ないのだから、その辺に居る人に訊くしかない。
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