第一章 再会 回想ー書類舞う会議室で……

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第一章 再会 回想ー書類舞う会議室で……

数秒もしない内にドアが開き、次長が苛立ちを露わにした表情(かお)で 「やっと来たか……早く入りなさいっ!!」 と、声を潜めて言った。 その様子からわたしは 『間に合わなかった』と、悟った……。 『これでも急いだんですよー!!』 って、声を大にして言いたかったけれど……この場で言ってはいけないことぐらいは分かっているから、ぐっと言葉を飲み込んだ……。 だって……それは完全に言い訳(・・・)だもの……。 「失礼します」 緊張した面持ちで挨拶をしてから、わたしは会議室へと入って、不用意な物音を立てないように気をつけながらそーっとドアを閉めた。 チラッ……。 どんな人物(ひと)なんだろう……と、気になって、長テーブルを挟んで部屋の奥の椅子に座っている先方の(かた)に視線を向けるも……先方の(かた)の背後には大きな窓があって、太陽の光が差し込んで|肩幅が広くてスーツにネクタイということからを男性(・・)と、いうことは分かったけれど……どんな顔立ちなのか、表情を確認することはできなかった……。 うーん、残念……。 気になる〜。 男女問わず初めて会う人がどんな人物(・・)なのか……興味を抱くのはごく当たり前のことで、分からないとますます気になるのはわたしだけじゃないはず……。 じっーっと、目を凝らして先方の男性がどんな人物(ひと)なのか……確認しようとして……って、いけない、いけない! 気になるけど、それよりもまず、間に合わなかったことに対する謝罪をしなくっちゃ……と、思考を切り替えた。
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