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急がなきゃ!
次長がさっき受けていた電話は取引の先の方だった。
先方の都合で約束の時間を早めてほしい……と、いうことだった。
リズムよくコピーされてゆく音を聞きながら腕時計を見る。
……いけないっ……!
急がないとっ!!
約束の時間、15分前だ。
会議室まで走っていけば……先方の方がつく前に、次長の元へ届けられる。
最後の一枚が印刷され、お礼を伝えようとすると……私の前にコピーしていた女性社員がまだ側にいて話しかけてきた。
「ねぇ……」
「……はっ……はい……」
嫌な予感……。
「コピー機使わさせてあげたんだからコピー用紙……備品室から運ぶの手伝って……」
こそっ……と、言われた。
予感は見事に的中!
嬉しくない……。
断ることはもちろん……出来ず……。
「はいっ! わたし、行ってきます!!」
一刻も早く、課長にコピーしたての企画書を届けるべく……大急ぎで備品室へと向かった。
女性社員に「手伝って……」と、言われたけど……一緒にしてたら時間ばかりかかるような気がした。
だから……わたしは一人でさっさと、備品室へと向かったんだ。
その勢いは物凄かった……と、思う……。
そうでもしないと……間に合わないんだもんっ!!
コピー用紙を台車に乗せ、運び終わると……。
コピー機を使わせて頂いたことへのお礼を丁寧に伝えて再び、台車を片付けに備品室へと戻った。
そこから次長がいる会議室へと……猛ダッシュ!!
コンコン。
息と身なりを整えてから会議室のドアをノックしたーー……。
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