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「お留守番お願いね。実を呼んでいるから」
実は雛の兄だ。大学生で、普段は大学近くのアパートで一人暮らしをしている。しかし今回、中学生の女の子を一人にさせることを心配した両親が来るように言ったのだ。
「あたし、別に一人でも平気だよ?」
「ダメだ。一人で留守番して変質者に入られた事例もあるんだからな」
お兄ちゃんの言うことをちゃんと聞くように。そう言い残して二人は家を出て行ってしまった。
その日の夜、長野に到着した両親からLINEが届いた。祖母は畑で倒れているところを近所の人に発見され、救急車で病院に運ばれたそうだ。検査で貧血であることはわかったものの、他に大きな病気はなく、念のために数日入院することになったようだ。
「おばあちゃん、よかった……」
LINEを見て雛が安堵していると、夏樹からLINEが送られてきた。
『おばあちゃん、倒れたんだって?何かあったら来いよ。今家にいるの俺一人だけど』
夏樹の両親は、先月から短期出張で香川県に行っている。帰って来るのは来月になるそうだ。夏樹は一人で生活している。
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