0人が本棚に入れています
本棚に追加
「わかったよ。ただし、お前が寝たら速攻で家帰るからな!」
「夏樹、ありがと〜!」
雛は夏樹に抱き付く。幼い頃はどちらからともなくハグをしたものの、当然大きくなってからは手すら触れなくなった。久しぶりのハグは温かく、あの頃とは全く違った感触に雛の胸が一瞬高鳴った。
「離れろ!……とりあえず、お前風呂入って来い。外で待っててやるから」
「は〜い!」
雛の顔にようやく笑みが戻った。夏樹に風呂場の外で待っていてもらい、入浴を済ませる。パジャマに着替えた雛は、自室へと夏樹と共に入った。
「ほら、さっさとベッド入れ」
夏樹がベッドの傍らに座る。雛は少し考えた後、名案を思い付いたと夏樹に言った。
「ねぇ、隣で小さい頃みたいに寝てくれない?」
「ハァ!?お前、何言ってるのかわかってんのか!!」
顔を真っ赤にする夏樹の腕を掴み、雛は強引にベッドに押し込んだ。そして夏樹に抱き付いたまま自分も横になる。
「えへへ。これであたしが寝ても夏樹は帰れないよ」
最初のコメントを投稿しよう!