July〜眠れない夜には〜

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目が覚めた時、夏樹が隣にいないことが雛にとっては寂しく感じた。雛は絶対に離さないと言わんばかりに夏樹を強く抱き締める。 「わかったわかった。そばにいるからちょっと離れろ。暑い」 夏樹の顔は真っ赤に染まっていた。目を決して合わそうとしない。時間が経つうちに、雛も幼い頃と何もかも同じ状況というわけではないことに気付き、頰が赤くなっていく。 二人の夜はまだ長い。
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