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「それにしても、ちょっとした盲点だよね。神社でのお祭りなんだから、来てる人は普通は神社で見ようとするだろうし……まして、そんなに近くもない公園に来ようなんてまず思わないだろうし」
【はい、そうなんです! 僕も、最初に連れて行ってもらった時はびっくりして!】
続けて、そんなやり取りを交わす僕ら。花火が上がるには、もう少し時間もあるし……いや、そんなにはないかな?
ところで、やはりと言うか――今、ここには僕ら以外には誰もいない。まあ、昔も毎年ほとんど――僕らと同じく、お子さん連れのご家族が一組いたくらいでほとんど誰もいなかったし、それに――
「――あっ!」
すると、隣から弾けた声が響く。理由は……まあ、問うまでもなく。彼女の視線を追うように、僕もゆっくりと視線を移し――
――パーン!
――直後、澄み切った夜に満開の花が咲いた。
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