それでもなお

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「へえ、そんなこと言われたんだ、いろんな人がいるもんだね」 夫の圭太(けいた)に話すと、やはり大らかな返答だった。 「時間差で、きた。ものすごく怖くなってきた......」 つわりはおさまっていたけれど、夕食を食べる手が止まった。 「それより安産って占いで出て良かったよ」 9歳年上で、とことん物事を前向きに考えれる人だ。 そこに惚れたんだけど、ときに感情のスレ違いもある。 「安産の占いが当たったら、罪を犯すも当たっちゃうじゃない」 「過ちを犯さない人間はいないよ、したら、どうするかだよ」 「背負えるかな」 「やらなきゃいけないのが親だよ」 「やってみるけど......」 『生んだことを後悔するレベル』とは、どんなものであるか。 考えれば考えるほど不安になった。 とはいえ出産が近づくにつれ、身体の痛みのほうが大変になってきて。 色々と悩む余裕はなくなった。
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