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私は観客に向かって静かに語りかける。
「私に投票してくださったみなさん、ありがとうございます。そして、応援してくれた仲間たち、どうもありがとう。なんだか、全然実感がありません。何を話せばいいのか……。
私には、一つ違いの姉がいます。なぜだか父は私にだけ、こう言って育てました。『ドブス』『ドブス』と……」
客席が少しざわつく。
「だから私はずっと、自分の顔に自信がありませんでした。今日私は、みなさんのおかげでミス山の手学園になれました。
もしかしたら私は、父が言うほどのドブスではないのかもしれません。劣等感が一つ消えました。みなさんのおかげです。厚く御礼申し上げます」
私は最敬礼した。会場は静まり返っている。ゆっくりと上体を起こした私は、笑顔で言った。
「みんな、どうもありがとーー!」
ワーッ!
歓声と拍手が鳴り響く。
私は笑顔で手を振ってそれに応えた。
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