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厚顔無恥と隣人愛
高校の合格発表の日の夕方、インターホンが鳴った。
出てみると近所に住む中三の頃のクラスメイトの巳夜化巻子。慈悲深い私は玄関のドアを開けて会ってやった。
すると彼女は、
「富楼羅だけ落ちちゃった。泣いてたよ、可哀想に……」
と言ったのだ。
これまで自分が富楼羅たちと一緒になって集団いじめしてきた可哀想な私には、一言の謝罪もなく。
それに巳夜化巻子が私と同じ山の手学園に合格できたのは、私のおかげなのだ。なのに恩知らずな彼女は、一言のお礼すら言わない。
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