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恐さ
「恐さ」
そんな気持ちは私には存在しない
ずっとそう思っていた
失う事の恐さ
捨てる事の恐さ
そんな物は最初から私の中にはないと
そう思っていた
ずっと一人だった
傍に誰か居て欲しいなんて思わなかった
居なければ
傷付く事も
寂しくなる事も
孤独感だって味わう事もない
愛が欲しい
愛して欲しいなんて
そんな馬鹿な事も考え無かった
誰かを想えば苦しくなる
傷付くのが怖くなる
だったら最初から
何も「持たなければいい」
ずっとそうやって生きてきた
それなのに…
知ってしまった
「愛」を
愛は愛する人と一緒に居られれば
とても素晴らしい事
愛する人と一緒に居られる事で感じる「幸せ」
だけど…
一緒に居られない愛なんて
ただの苦痛
そして気づいた
何よりも「怖い」ものだと
私は余りの恐さに捨てて逃げてしまった
逃げても逃げても
ついて回る「恐さ」
捨てても
離れても
ずっと追いかけてくる「恐さ」
知らなければ良かった
愛なんて…
ずっと知らずにいれば
一人の恐さなんて知らずに済んだのに
傷付いて泣く事も無かったのに
「恐さ」
愛が何よりも…
「怖い」…
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