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わたしは種。地面の下に潜ってる。周りには誰もいない。真っ暗な中に、わたしは一粒ぼっち。
早く早く、芽を出したい。外の空気に触れたい。
水が流れ込んでくる。体に染み込んでくる。周りの地面にも染み込んでいくのが分かる。ちょっと冷たい。
でも、残念ながら、わたしは育たないらしい。
だって、わたし。
「ねえ、全然生えてこないね。せっかく『かきのたね』、植えたのに」
息子はお菓子袋に入った『柿の種』を口一杯に頬張った。
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