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家に帰ってから、お母さんに天使に会ったことを話しても、ハロウィンだからねーなんて軽く流されてしまった。
「同じ格好をしてる子と会えて良かったじゃない」
「そういうことじゃなくて、飛んでたんだってば!」
「へー」
ダメだ。
全然通じてない。
あまりにわかってくれないので、もう伝えるのは諦めることにした。
だけど、
「来年も天使の仮装してもいいかな」
私は聞いた。
「いいけど、そんなに気に入ったの? 羽つけるだけだから楽でいいけど」
お母さんは笑う。
そうじゃない。
言ってもきっとわかってくれないから、これ以上は言わないけど。
来年のハロウィンも天使の格好をしていたら、もしかしたらまたあの子に会えるかもしれない。
なんて、私は思うのだ。
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