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とある幽霊の話し
俺の名前は山野タケシ。今、雑居ビルの屋上で刺され、突き落とされ、地面に叩きつけられて血の海の中で死にかけている。
体は痛いのを通り越して何も感覚が無い。首、手足を動かそうにも脳から先へ命令を伝える事ができず全く動かない。
……辛うじて目の玉が動くだけか
そもそも別居中の妻が悪徳金融業者に拉致されたくらいで盾ついた事が間違いだった。あんな浮気女の事は放っておいて娘と二人細々と暮らしていれば良かったのだ。それをお母さんを救って欲しいと懇願する娘の一言で単身乗り込んでこの様だ。全くもって俺はお人好しだと痛感する。
「ユメヲミセテアゲル」
誰だ? 女子高生? 中学生?
パンツが丸見えじゃないか
最後の締めくくりにしてはなかなか粋なサービスだ「ヴッ! ゲボッ!! ゲボッ!!」
どうやら死ぬ時が来たようだな
長くて短いような人生だった……
意識が薄れていく
それじゃ~な。俺──
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