自己紹介

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自己紹介

 今日は学校に来ている。と言うか明日も明後日も卒業するまで来ることになる。2年生の半ばからなので一瞬で時が過ぎる事だろう。せめてこの短い学生生活の中でモーゼスに楽しい思い出ができるように努力する。 ──  担任の吉田先生が淡々と僕たちの紹介を始めた。皆の前に立たされて珍獣並みの見世物だ。 「今日からこのクラスの一員になる歯内(はがない)バク君と歯内(はがない)モーゼスさんです。2人は2卵性双生児とのことでバク君の方が日本人のお父さん似、モーゼスさんはフランス人のお母さん似との事前情報がありました。それではバク君から自己紹介をお願いします」  その事前情報はどこから流れたのやら──  それにしても女子の方が圧倒的に多い。男子は5分の1にも満たないようで肩身が狭そうだ。    しかしこれだけ女子ばかりだと机の下からのぞく太腿に目移りしてしまう。 「バク君、どうしたのですか? 自己紹介を早くお願いします」 「ああ、……歯内バクと言います。趣味は──太モモ」  ついつい思ったままを言ってしまった。みんな意味不明でザワザワしている。  (つくろ)わないとヤバイ
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