3.王様謁見(2)

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3.王様謁見(2)

ん~、どうすっかなぁ……このままお城から逃げるのも手だと思うけど、逃げたところでこれからどうしよう……。 言葉は通じるにしても、生活費とか仕事とか…… 一人今後のことを勝手に考え込んでいると、檀上から今にも泣き出しそうな震える声が聞こえた。 「……ほ、本当に、其方(そなた)は聖女ではないのか?」 見上げると、大きな目に涙をいっぱい溜め、唇を震わせている王様がいた。 「……ほ、本当に、其方(そなた)は、聖女ではないのか?魔王からの手紙にも、其方(そなた)はそっくりなのに?」 ツゥーっと涙が零れ落ちる。 宰相様もどこか苦し気な顔で王様を案じるように見つめ、胸から取り出したハンカチでそっと拭いてあげている。 王様、宰相様の顔を見て、宰相様の胸に抱き着こうとするのをなんとか堪えているみたいだけど…… うん。そこのカップリング、後で詳細ゆっくり聞かせてくれないかな? 宰相攻め、王様受けって確認だけでもさせて欲しい。 って、魔王? 王様が涙ながらに言った不審な言葉に目を見開き、辺りを見渡す。 王様同様にショックを受けた様子の貴族の方々や、俺を召喚しちゃった王子様も困惑した様子だった。 この様子を見ると、魔王っていうは聞き間違いじゃないっぽい。 この世界、魔王とかもいるんだ……。なんか、申し訳なくなってきた。 「えっと、お話だけでも、聞かせて貰ってもいいでしょうか?俺が出来ることってないかもしれないのですが……」 お通夜みたいな周りの雰囲気に耐えられず、おずおず手を小さく上げ、問うてみる。 そんな俺を見て、王様ったら涙と鼻水で汚れた顔をパァっと明るくさせて、うんうん。って、何度も頷いていたよ。 宰相様も、王様が喜んでいるのが嬉しいのか、鉄仮面みたいな表情をちょっと緩ませて口元だけは微笑んでいた。 うん。やっぱりこの二人はデキてるだろ。 ホント、俺ってば聞かなきゃいいのに、好奇心ってダメだね。 自分から厄介事に首を突っ込むなって、マキにはよく怒られていたけど…… 気になるものは仕方ないじゃん? あ~ぁ、ココで撮影させて貰えれば、かなりイイ感じの写真撮れそうなんだけどなぁ……
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