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可愛くなりたい
同じように生を受けたっていうのに、不公平すぎる‼︎‼︎
同じように三つ編みをして、同じような前髪をして、全く同じ制服を着ているのに、何で私はチヤホヤされないの。
それは、顔、顔、顔‼︎‼︎
小学校の高学年にもなれば、嫌でも分かるようになる。
「和香子ちゃん、そのヘアゴム可愛いね♪ 似合ってる、可愛い~♪」
そんな声を甘~いヴォイスでかけてくるのは、クラスのマドンナ美雪ちゃん。
「あ、ありがとう美雪ちゃん。は、はは……」
きっと今日も私の顔は引き攣っている。だって、クラス1いや、学年1可愛くてチヤホヤされている子からそんな事を言われたら、そりゃまぁ周りの目が痛い痛い。
あぁ、こんな毎日から逃げ出したい。早く大人になりたい。だって、メイクっていう魔法が使えるようになるから。
でも、今は踏ん張りどき。だって小学生じゃどうにもならない。
それなら、私は誰よりも勉強して賢くなって、誰よりも運動も出来て、誰にも文句を言われないようなスーパー女子になればいい。学級委員にも立候補するし、班長にだってなってやる。
「和香子ちゃん凄いっ‼︎‼︎ また100点なの⁉︎」
「財前すげぇな。お前なんでも出来んじゃん」
ほらね、これが私の鎧なの。容姿では勝てない分、私はこの鎧で自分を守るの。
それなのに、奴だけはこの鎧を容赦なくぶっ壊そうとしてくる。
そう、大城だけは……。
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