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同窓会当日、私はシフォンの柔らかなブラウスに程よくラインをひろうスカート、そして艶やかに巻いた髪と魔法のかかったメイクで会場に挑んだ。
はい、この反応は想定内です。
先に来ていたメンバーが、私を見てこの人誰という表情で、必死に思い出そうとしている。あーはいはい、そりゃ魔法がかかっているんですもの、分からなくて当然です。
そんな中、あのマドンナ美雪が現れた。歳の離れたジジィを捕まえて豪華な生活をしていると風の噂で聞いたけれど、高級ブランドでかためた鎧を見れば分かる。顔面偏差値の高さははやっぱり勝ち組になれるのだ。
「あら、どなた?」
私があまりにもジロジロ見るからか、彼女の方からスカした態度で話しかけてきた。
「私よ、財前っ。財前和香子」
「⁉︎ あら、和香子ちゃんっ。へぇっ、誰か分からなかったぁ。ねぇ皆んなぁ、和香子ちゃんだってぇ。えぇ凄ぉい変わったねぇ、すんごく可愛くなったじゃ~~ん」
あぁこの言い方癪に触る。でも、これがやり手の女のやり口だ。上げているようで上手く下げる。この女は小学生の頃から何も変わってない。あー悔しい。そう思って唇をかみしめていると、低音ヴォイスで嫌味をぶっこいてくる奴がツカツカとやって来た。
「どこが?」
私の顔を覗き込みながら、真顔でそう吐き捨てるのは、
「お、大城⁉︎」
なんと、チビ助だったあの大城が見上げる程ドデカくなっている。しかも、かなりのイケメンに成長した。まぁ、元々整った顔をしていたわけだけれど、チビ助だったしお互い子どもだった事もあって気にもかけていなかった。
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