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村の教会から、かすかに讃美歌が聞こえてきた。村人たちは手を休め、その歌声に耳を澄ます。歌っているのは少年少女たち、その清らかな歌声は「天使の歌声」とも呼ばれ、澄んだ美しさがあった。
やがて教会の鐘が鳴り、村人たちは静かに元の仕事に戻っていった。
しかし、ある日突然、大きな争いが始まった。小さな火種が瞬く間に広がり、町から町へ、村から村へと戦火が延焼していった。多くの人々が家や家族を失い、命さえも奪われていったが、争いは収まる気配がなかった。
教会には、神に平和を祈る人々が集まっていた。「どうか、争いが終わりますように……」
そのとき、再び教会の鐘が響きわたり、天井から澄み渡る歌声が降り注いできた。それは、天使の歌声のように美しく、透明感に満ちた声だった。村人たちはその歌声に耳を傾けるうち、心が静まり、次第に横たわっていく。外にいた者たちもまた、その歌声に引き寄せられるように、地面に体を休めた。
そして、長く続いた争いが終わりを迎えた。
鐘の音が遠くまで響き渡る中、村には静かな平和が戻っていた。
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