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(あぁ、でも。僕の考えはいつも間違っている。だから、こんな感情に支配されたら駄目なんだ)
僕はゴルフクラブで思いっきりガラスを破った。きっとガラスが飛び散って大きな音が鳴るだろうと思ったけれど、ガラスは飛び散らなかった。代わりに、どこかからブザーが鳴る。
「えっ」
「てめぇ! 何やってんだ!!」
後ろから男達が僕を怒鳴る。僕を揉みくちゃにする。僕も、お爺ちゃんも、どうにかなってしまうかもしれない。あぁ、僕はやっぱり考えなしだ。だけど、これで良い、良くやったと思う自分もいる。
脳裏に一筋、言葉がよぎった。
《正しい行いは、いつも神様が見ているものだ》
神様がいるというのなら、もう僕のことは救わなくて良いから、この言葉を聞いてくれ。
「僕は僕の人生に後悔なんてしない! 例えどんな時代に生まれても、僕なりの正しさを捨てないで生きていたいんだ!」
僕は吠えた。
ここがきっと、僕の人生のハイライトだ。
「良く言った」
僕を捕える男達を引きずり剥がす手があった。聞いたことのある声が響く。
「警察だッ!! 全員手を頭の後ろに組んで膝をつけ!!」
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