ユリコさま

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 続けて、ユリコは、「すぐに楽になりますわ」と言いながら、フードを上げた。すると、ろうそくだけが照らす闇の中、その美貌を現した。  面長の顔に細い鼻筋・・いや、その美貌よりも際立って特徴的なのが、その瞳孔だ。  目が赤い・・薄い赤色ではない深紅だ。しかも僅かな灯りのせいか、目が光を放っているように見える。  その目が更に光ったかと思うと、黒マントの縁まで光り出した。いや、おそらく目の錯覚だろう。人間が光を放つはずなどない。これはユリコという名の女の覇気がオーラとして具現化したものだ。そう思わざるを得ない。  ユリコは、数珠を付けた両手を胸の前で合わせると、お経のような声を上げ始めた。だがお経ではないことはすぐに分かった。  何故ならユリコが呪文を唱えだすと、男の目が虚ろになり、閉ざしていた口がだらしなく広がり出したからだ。
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