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「でも揚げ物って片付け大変なんじゃなかったっけ」
「料理しないのに片付け事情は知ってるのね」
「よく僕が料理しないのわかったな」
「そりゃあのカップ麺タワー見ればさ」
天真さんは僕の机に積み上げられたカップ麺を指差した。僕の貴重な栄養源。
ちなみにタワーを形成しているカップ麺はすべてシーフード味だ。シーフード麺は人類屈指の大発明だと思う。
「カップ麺も料理と認められる時代はまだかな」
「多様性の世も末だね」
トンカツとキャベツをパンに挟みながら天真さんは苦笑した。
僕はカツカレーを作ろうと追加のトンカツを取り皿に運ぶ。
「ねえ佐門くん大発見。カツサンドをカレーに浸して食べたら激ウマなんだけど」
「え、それやろっかな」
「やってみて。飛ぶよ」
カレーにくぐらせたカツサンドを頬張って僕らは飛んだ。
それからあれやこれやと新レシピを試していたら、あっという間に全部の皿が真っ白になっていた。
「やっぱりトンカツ最強説は本当でしたね、天真博士」
「ええ、でもまだまだ世界には私たちの知らないトンカツの進化が隠れているはず。これからも私たちの旅は続くよ、佐門研究員」
「そうですね。ただひとまず今日のところは」
「ええ」
ごちそうさまでした、と僕たちは声と手を合わせる。
かつてないほど満腹になった身体をだらりと椅子にもたれさせて、二人はしばらく動けなかった。
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