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 プログラムは4週✕3の12週なので、通常、次までに1週間ほどの空きが出る。そこで次の受け入れ生徒の資料を読み込み、方針を決め、特別プログラムを行いたい場合には申請と許可を取る。  無理ゲーだろと思いながら、蛍汰はPCを前に自分のこめかみをグリグリと中指の骨でねじった。それで名案が浮かぶわけじゃないが、ついやってしまう。 「お疲れ様です!」  元気に浜松が入ってきて、蛍汰は彼に目をやった。  蛍汰はプロジェクト用の臨時執務室にいたが、浜松は別部署であることを忘れさせるほど、プロジェクトメンバーと顔なじみになっていて、辺りにいる他のメンバーと笑顔で挨拶しながら蛍汰のところまで来た。 「矢島二尉、今月もお疲れ様でした。私も特訓受けたかったです」 「御用は何でしょうか」  蛍汰はPC画面をロックして浜松を見た。 「相変わらず冷たいですね。スズランの感謝はないんですか」 「ああ、ありがとうございます。用は終わりました?」  蛍汰が言うと、隣で執務していた今田が肩を震わせた。 「何、笑ってんだよ」  浜松は今田より階級が上なので、プリプリした。 「私の部下に圧をかけないでくれますか」  蛍汰が言うと、浜松はショックを受けたようだった。 「酷いです。私のことは同僚としか言わないのに、今田は部下ですか」 「浜松さん、コーヒー奢りましょう」  蛍汰が根負けして立ち上がり、浜松はぱっと顔を輝かせた。 「いやぁ、申し訳ないです、そんな、矢島二尉にわざわざぁ。嬉しいな」  2人が出ていった後、誰かが「あのコントは毎回見ないといけないのか」と言って、執務室のメンツが笑った。
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