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栗林は、矢島が、もう矯正プログラムの教官からは外してほしいと言い出すのかと思ってハラハラしていた。
ハンス・バウティスタの死の知らせが届いたのは、次の受け入れ生徒が来る直前で、矢島は葬儀に出て、その後の3日は仕事のできないポンコツと化していたからだ。
プロジェクト会議でも、教官役の選定は協議されていた。ただ、様々なタイプのモデルが必要ということで、組み合わせの相性も含めて、どうしても通常カリキュラムに到底合わないタイプの生徒が1人は出て、それが矢島担当になることが多かった。
矢島がそういった生徒を担当することは、もうほとんど暗黙の了解だった。
彼は元潜入隊員で、学生たちの遊びのようなテロ組織に入った経験もあり、彼らと共に生きた経験がある。教練学校で対テロ対策を敎育した経験もあり、今も時々は技術講習は担当していたりする。
だからこそ、矢島には音を上げてほしくなかった。
矢島はそれを理解しているのか、していないのか、何とか3日目にはポンコツ度合いを弱め、その翌日、担当生徒と面談することになった。
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