忘れえぬ人

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「もうここへは来るな。 おまえの愛しいフィリスちゃんはもういないんだ。」 「そうだね…フィリスはいなくなってしまった。 でも、その代わり、僕の友人はここにいる…」 「やめてくれ。 私は、もうおまえの友人などではない。 おまえにはスコットがいるじゃないか。」 「スコットはもちろん大切な人だけど、君だって…」 「さぁ、つまらないおしゃべりはもうおしまいだ。 こう見えても、私は忙しいのでな…」 私はアラステアに背を向け、そのまま歩き出した。 「明日も来るから… 明後日も、その次も……!」 背中からかけられたアラステアの声に、じんわりと胸が熱くなるのを感じながら、私は扉の奥へ身を隠した。
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