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序
むかしむかし、あるところに。
母を亡くした美しい娘がおりました。
父が連れて来た継母は、初めは優しかったものの、次第に陰で娘をいじめるようになりました。
醜い自分の連れ子を愛していた継母は、美しい娘をひどく妬んだのです。
やがて父が亡くなってしまうと、継母は娘を使用人としてこき使いました。
そんな、ある雪の日。
継母は、娘に紙でできた服を着せて外に放り出し、カゴいっぱいの苺を摘んでくるように命じました。
娘は途方にくれました。
こんな真冬に、どこへ行けば苺が摘めるというのでしょう?
「苺で籠がいっぱいになるまで、帰ってくるんじゃないよ!」
娘は裸足のまま、雪の降り積もる森へと入っていくのでした……。
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小さい頃、炉端で聴いた物語。
まさかこの僕が、その主人公になるなんて。
あの頃は夢にも思わなかった。
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