天使の瞳

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 ひどい頭痛で目を覚ますと、知らないベッドで寝ていた。隣に違和感を覚えて見ると、金髪のカールが眠っていた。  起き上がろうとしても、起き上がれない。頭を抱える。痛い。凄く痛い。頭が割れそう。思わず低く声を上げた。 「……(いく)ちゃん、起きたの?」 「ああ、カール……ごめん」 「いいよ。Guten Morgen」  美しいメロディをつけて歌うようにおはようと言った。なにかの歌なのか、そのまま鼻歌を歌っている。なんの歌だろう。  カールは眠そうに目を開くと、青い瞳を見せた。きれい。きれいな、水の色。 「……きれいな目だね」 「そう?」 「日本人と違って、青い」 「俺、ドイツ人だから」  私は裸同然だった。パンツは履いてたけど、ブラジャーまで外されている。もしかして、やったのかな。カールも上半身は裸みたい。真っ白の肌。 「私、昨日のこと覚えてない」 「吐いてたよ」 「それは何となく覚えてる」 「俺の家に泊めてって言ったから、連れてきた」 「それで……私たち、何かあった?」 「何かって?」 「その、抱き合ったりした?」  カールは笑った。少しも優しくない微笑みだった。この人、こんな笑い方したっけ。 「どっちでもいいよ、覚えてないんだよね」 「いや、よくない、やったんなら避妊したか知りたい」 「してないよ」 「避妊を!?」 「抱き合ってないよってこと」  瞬間、心底安心した。
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