2人が本棚に入れています
本棚に追加
ひどい頭痛で目を覚ますと、知らないベッドで寝ていた。隣に違和感を覚えて見ると、金髪のカールが眠っていた。
起き上がろうとしても、起き上がれない。頭を抱える。痛い。凄く痛い。頭が割れそう。思わず低く声を上げた。
「……育ちゃん、起きたの?」
「ああ、カール……ごめん」
「いいよ。Guten Morgen」
美しいメロディをつけて歌うようにおはようと言った。なにかの歌なのか、そのまま鼻歌を歌っている。なんの歌だろう。
カールは眠そうに目を開くと、青い瞳を見せた。きれい。きれいな、水の色。
「……きれいな目だね」
「そう?」
「日本人と違って、青い」
「俺、ドイツ人だから」
私は裸同然だった。パンツは履いてたけど、ブラジャーまで外されている。もしかして、やったのかな。カールも上半身は裸みたい。真っ白の肌。
「私、昨日のこと覚えてない」
「吐いてたよ」
「それは何となく覚えてる」
「俺の家に泊めてって言ったから、連れてきた」
「それで……私たち、何かあった?」
「何かって?」
「その、抱き合ったりした?」
カールは笑った。少しも優しくない微笑みだった。この人、こんな笑い方したっけ。
「どっちでもいいよ、覚えてないんだよね」
「いや、よくない、やったんなら避妊したか知りたい」
「してないよ」
「避妊を!?」
「抱き合ってないよってこと」
瞬間、心底安心した。
最初のコメントを投稿しよう!