天使のおつとめ

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 なんでこんな時にアイツが通りかかるのよ。ヤだこっちに気づかないで。 「こら。アイツって誰だ? まさか彼氏か。聞いてないぞ」 「そんなじゃないよ。ってか、なんで今度は父親ヅラなのよ!」  アイツに気づかれないように声を潜める。  天使のおっさんは構わず続ける。 「だって推しがいるんだろ? さっき動画観てたろ」 「推しとリアルは別物!」 「だけど、アイツも推しに負けず劣らずのイケメンだな。こいつぁ無理なんじゃ──」 「そんなこと……わかって……」 「少々お待ちください。」  不意に別の声が聞こえた。えっ。天使の存在、見えてる人がいるの?
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