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取り柄もなく、かわいくもない私が釣り合うわけないじゃん。
でも。でもね──
「それ、私に貸して!」
半ば強引に弓矢を奪う。引いたことのない弓を引く。
そう。自分で行動しなきゃ。自分を磨いて。何もしなきゃ、なんにも変わんない!
ピシュッ
矢は無情にも外れてしまった。
「ああ。不覚です。力になれず申し訳ございません」
「いや、違うぜ。ねーちゃんやるな。見上げた根性だ」
そう。これでいいのだ。
「うん。何だか出会ったばかりだけど、勇気をもらったみたい。もう少し自信をもって色々やってみようと思う……ありがと」
「このまま修行させてもらう予定だったんだが、二人とも急きょ神様に呼び出しくらっちまったようだ。しくじったからかな。じゃあな」
「私など、ほんの一時でございました。お元気で」
え?ソッコー消えた。
びっくりするほど、あっけないんですけど。
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