遠い友情

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 怪物は倒れた、もう地球の脅威になることはないだろう。  地球の生物とは違い、ゴツゴツとした突起物があるクラゲのような姿をしており、空中で石油を吸い取り、際限なく巨大化して、二十四時間休みなく無数の怪光線で地上を撃ち続ける恐ろしい奴だ。  今西幕僚長とエリック博士は、この怪物の対策の協力者となったサドラー大使を見送ることになった。  彼らは故郷に帰還する大使に今西は礼を言った。  「ありがとう、あなたが生体兵器の弱点が上部の突起物だと見抜かなければ、地球はどうなっていたかわからない」  エリックも、「そのとおり、あれが体内の熱を逃がすための排気口の機能があるなんて、経験がないとわからない。あなたの助言なしで見破れていたかどうか……」  だがサドラー大使はうなだれた。  「あの侵略兵器はティチェ星人にうわべをそっくりに作られていました。事情を知らない一般の地球人は私を見て、きっと嫌悪を抱くでしょう」  これを聞いて、今西は怒りで顔を赤らめた。  「実に姑息なやり方だ! 地球人と友好を結ぼうとする異星人との相互理解を妨げようとするなんて!」  「まさに悪質だ! しかし、こんな妨害行為で我々の友情は揺らいではいけない! さらに結束をかためるべきです!」  と、エリック教授も怒りで顔を赤らめた。  「ありがとう、博士、今西さん、そう言ってもらえると心強いです。私は本星へ帰って、このことを上司に報告して、キラーダ星人の妨害行為を銀河同盟に訴えるように進言するつもりです! それでは今西さん、エリック博士、またお会いする時を楽しみにしています」  そう言って、大使は青白く輝く円盤へ乗り込んでいった……。                          了    
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