第一話 初めて小説新人賞に応募したけれど……

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第一話 初めて小説新人賞に応募したけれど……

『第二回青い鳥文庫小説新人賞を募集します。』 その文字を見つけたのは、私が二十五歳の時だった。 青い鳥文庫は、小、中学生に人気の児童文庫で、中学時代から私が愛読していたレーベルだった。 その後、大人になった今でも好きな作者さんが活躍していることもあり、青い鳥文庫を愛読している。 「何か面白い作品あるかな?」 そう呟きながら青い鳥文庫の公式サイトを見ていた時、その募集要項を見かけたのだった。 「小説新人賞か……。二十五歳になったし、私もそろそろ作品を出してみるか?」 そう思った私は、人気アイドルと一般人の恋愛小説を書いて賞に応募してみた。 ちなみにだが、大賞、金賞、銀賞の三つの賞があり、大賞は、賞金五十万プラス出版の確約、 金賞は、賞金二十万プラス出版の確約、 銀賞は、賞金十万だった。 「ふむ。つまり、大賞、金賞を取れば出版の権利があるって事ね……」 そう思った私は、勢いよくベッドから立ち上がると、当時一緒に住んでいた友達、エリの部屋へ勢い良く駆け込んだ。 「エリー!!」 「うわっ!かえ!?びっくりした……いきなりどうした?」 突然部屋に入って来た私を驚いた顔で見ていたが、私はそんなエリの顔を気にせず、スマホの画面をばーんとエリの前に突きつけた。 「エリ、見てよ!!賞金五十万だって!!」 「ひえっ~っ!?五十万!!すごいねぇ!?」 私がそう言うとエリは目を白黒させて再び驚きの声を上げる。 「よーし!決めた!私、この小説新人賞に応募してみる!!そして、賞金もらってデビューするんだ!!エリ、賞金もらったら、おごってあげる!!」 ぐっと拳を握り締めながら、私は、高らかにそう宣言した。 「おぉ!頑張れ!!かえ!!」 パチパチ。 エリが拍手をする。 「うん!絶対、小説家になるんだ!!」 私はそう返事をし、さっそくその日から作品を書き、締め切りの一ヶ月前にはもう作品を送っていた。 自分でも上手く書けたかな? という自信作。 だが、その後の十二月中旬の結果発表では、私の名前はなかった。 悔しかった……。 人生二十五年間の間に何かをやって悔し涙を流したのは、記憶に残る中で、これが初めてなのかもしれない……。 『あなたの作品はお断り!!』 そうピシャリと目の前でドアを閉められたような気分になった。 その途端、目の前が真っ暗になり、私はその場にペタンと膝が崩れ落ちるように座り込んだ。 「うっ……うわぁぁぁぁぁぁん」 私は声を上げて泣いた。 そして、私は、この時やっと自覚したんだ。 『私は天才ではなく、ただの平凡な人間』 だということを……。 この出来事は、私にとって、大きな挫折となった出来事だったんだー。
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