今日もただ、バツを写す
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天使がパチ屋を燃やしていた。 真夜中の大炎上、艶やかなオレンジの炎はジューシーな果物の断面みたいだ。 だから、僕はアスファルトに座り込んでスケッチブックを広げた。 天使の炎だから、たぶん、普通の炎とは違う……でも、どっちにしろ。 普通の炎だったとしたって、描くしかないのだ、僕は。 「まだ絵を描く人間がいんのかよ」 全身から炎を噴き出す天使が、僕を振り返って笑った。
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