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⁑⁑⁑⁑⁑  飛鳥が通う大学は、ある噂で持ちきりだった。  整った顔立ちと明るい性格で校内でも人気の飛鳥が謎の美女を連れて来たと。  それも艶やかな黒髪とファーコートを風に靡かせ、寒空の下でもブランド物のサングラスをしたセレブ美女。 「ふっ、人間どもが私の美貌から目が離せないようね」    この服は飛鳥が見繕ってきた雑誌から、サハリエルが気に入って天使の力で生み出したものだ。  それ自体には最早、突っ込まない。  だが、よりによって何故こんなに目立つ服なのか。  飛鳥は今日一日のことを考えると頭痛がしてきた。  かくして、その予感は的中する。 「見なさい! 飛鳥!! あの女子(おなご)など魅力的ではないの。顔も愛らしく、胸のサイズも申し分ない。もちろん、この私ほどではないけどね」 「法学部の小森さんですか。可愛いですよね。天然そうなのに将来弁護士になったら、法廷でスーツを着てビシバシと議論するのかなぁ。その姿を想像するだけでドキドキしちゃいますね。あ、でもレディが胸のサイズとか大声で言うのは良くない……」 「そうと決まれば早速アプローチね!!」 「あぁ、待ってください! そんな急に〜!!!」  抵抗する間もなく、彼は引きずられて行った。 「見なさい! 飛鳥!! あの女子(おなご)など魅力的ではないの。切れ長の瞳に磁器のような肌、脚の長さも素晴らしいわ。言うまでもなく、私ほどではないけどね」 「外国語学部の菊池さんですか。美人ですよね。あぁ見えて可愛いものが大好きらしいですよ。でも、恋人はきっとクールな自分が好きだからって、猫の動画とかを見てても彼氏さんが来ると、すぐにスマホを隠しちゃうんです。二人で猫カフェとか行ったら、絶対に楽しい……」 「そうと決まれば早速アプローチね!!」 「あぁ、待ってください! 相手は彼氏持ち〜!!!」
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