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しばらくじっとしていたけれど、とうとう耐えられなくなって正直に言った。
「ねえいつまでそうしてるの……?」
「我慢してください」
「いや、結構我慢したよ?」
僕がそう言うと、ジュンは苦笑しながら身を離した。
「あのさ、ジュン。癒しが欲しいなら、猫を飼いなよ」
「猫……?」
「僕、外で猫、探してくるよ……」
そう言って僕はそろそろと距離を取るようにして後ずさった。
「猫なんかいりません。小姓として、あなたを可愛がると言ったではないですか」
ジュンは僕の手をとり、指先にキスしてきた。その目が怪しく光る。
「可愛がる、の意味を教えてあげます」
「へ?」
僕の背中は壁にぶつかった。ジュンは壁に手をついて、僕を腕の中に囲った。ひええと思っていると、今度は首筋にキスをしてきた。吸血鬼みたいで怖い。
「な、何してるの」
「ちゃんと教えて欲しいだなんて、そう何度もねだられたら私だって……」
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