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数分後。
あれ、結構暗いところまで来ましたね。
しょうがありません。光の奇跡も使ってしまいましょう。
「うわ、いきなり明るくなった」
「私の力です」
「はー。すごいですね」
この亀さん、微妙にリアクションが薄くてやりにくいですね。
ん?
なんかすごく目立つ魚がいますね。
頭に赤い紐みたいのがついていて、体はかなり長い。
「あの魚はなんですか?」
「ああ。彼女はリュウグウノツカイですね。キレイでしょう?」
「リュウグウノ、ツカイ?」
「ええ。とっても踊るのが上手で、みんなのアイドルなんです」
あ、今、私の中でスイッチが入りました。
メラメラ燃えてます。
「私は天使です」
「あ、はい。存じ上げておりますが」
「『天からの使い』と書いて天使です」
「すみません、字には詳しくなくて――」
どうやら、この亀さんは何も理解していないようですね。
「私は今、使命感に燃えています」
「は、はぁ……」
「これは代理戦争なんです。『竜宮城の主』と『我が主』。どちらが上か。これで決まるのです!」
「いや、何勝手に序列を決めようとしてるんですか!?」
「何を言うのですかっ! これは主の思し召し。逃げることは許されないのですっ!」
勝負です!
リュウグウノツカイ!!!!
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