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雪side
ツンツン ペロペロ
さっきから、頭やら頬っぺやら…
イタズラしてるの誰だ?と思ったら
可愛いにゃんこだった
「んにゃ~」
「分かってんだぞ」
「にゃ~ん?んにゃ…」
「…可愛い顔して……」
そうやっとけば怒られないと思って
騙されないぞ
「んみゃ~…にゃ?」
「ふふっ…んにゃ…にゃ…」
真っ直ぐな瞳
可愛いいでしょ?
ねぇ、可愛いいでしょ?って
「ゴロゴロ…にゃ~~ん」
お腹まで見せて
「…にゃんにゃ…」
自分の持てる全部を使って
「みゃ~~…ゴロゴロ…んにゃっ…」
「…ん…んにゃ…」
寂しいのか?
一緒に居て欲しいのか?
1人の方が気楽だったのに
寂しいに気付いちゃったのか?
「…にゃんこ…家来る?」
「んにゃ?にゅ~~ん…」
にゃんこが、スリスリしてきた
気付いちゃったんだね?
お前も…
「ん…1人もいいけど…やっぱ寂しいよ?おいで…」
抱っこしてあげると
大人しく俺の腕の中で抱かれて
ゴロゴロ言いながらスリスリしてくる
「ほら…あったかいでしょ?」
分かるよ
気付きたくなかった気持ち
あったかいの知っちゃったら
1人に戻った時凍えちゃうもんね
大丈夫
ずっと一緒に居てあげる
あれ?
くんくん…くんくん…
夏の匂いだ
「……夏?」
ちょうどいいや
夏に聞いておこう
「ふっ…そうだよ。雪…猫になったのか?」
猫って言ってる
「にゃんこ…1人ぼっち……飼ってもいい?」
なんか…上手く口、回らない
「いいよ。雪が飼いたいなら、一緒に飼おう?」
あ…
ちゃんと伝わってた
「良かった…おいで。一緒も楽しいんだよ」
1人ぼっちにしないから
怯えなくていいよ
安心して一緒に居ていいんだよ
「ん…」
キスしたの?
にゃんこは、ペロペロじゃないの?
「ん…んっ…」
そう…ペロペロだけど
首とかあんまり舐めないで
「んっ?!」
ペロペロじゃない!
何これ…
この感覚…
前に夏に付けられた…
「んぅっ?!」
今度は口の中!
舌!
「…んっ…なっ…んんっ…」
「雪…」
夏だ
なんで…
え?
「んはっ…なつっ…んぅっ!」
待って待って待って待って!
なんで、こんな激しいの?!
俺、なんかした?!
にゃんこ飼うって言ったから?
にゃんこ嫌い?
きっ…
気持ち良くなっちゃう!
訳分かんないまま…
気持ち良くなっちゃうから!
必死で息しながら
夏の弱点を目指す
耳…耳さえ触れれば…
届け…俺の手…
「んっ?!」
届いた!
ようやく夏が、はっとした様な顔して離れる
呆けた顔して
ごめん、大丈夫?とか言ってくる
大丈夫な訳あるか!
全然何にも大丈夫じゃない!
「ごめん、雪…」
「あ…あんっな…えっろいディープキスで…起こされた俺の気持ちが分かるか?!」
「あ…勃った?手伝う?」
「なっ?!…違う!苦しいって事!馬鹿夏!」
しんっじらんない!
しんっじらんない!
勃ったけど
だって朝だし
あんなんされたら…
勃ったけど
普通聞いてくる?!
まだそんな事してないのに
なんで普通に手伝う?
とか言える訳?!
しんっじらんない!
ゔ~~…夏のせいだからな
朝からこんな…
「…っ……はっ……」
なんであんなにキス気持ちいいんだよ…
「はぁっ…っ…~~~~っ!!」
最悪だ
最悪な朝の始まりだ
憂鬱な気分でトイレから出ると
ガチャ…ゴンッ!
え?
ゴン?
「いっ…てぇ~…」
「え?…なっ…夏?!大丈夫?!」
「大丈夫」
「ほんとに?…ってか…え?夏…なんでトイレの前に居たの?」
「いや…雪、てこずってんのかなと思って…」
てこずってん……のかな?!
てこずってんなら手伝うって?
トイレの前で聞いてたの?!
「は…はあ?!夏…トイレの前で、聞き耳立ててたの?!しんっじらんない!」
「いや…って言うか、雪…とりあえず、手と顔洗って…」
「分かってるわ!変態は離れろ!」
洗面所に向かいながら夏から離れる
しばらく、この変態とは距離を置こう
「いや、そうじゃなくて…もう旭陽さん来んだよ」
バシャバシャ…バシャバシャ…
「…はあ?」
「旭陽さん、もう近くまで来てて…ちょっと雪ヤバい状況だなと思って、コンビニ寄ってもらってる」
ヤバい状況は…
お前が作ったんだろが!
旭陽さん、用もないのにコンビニ行かされてんの?!
「……なっ…何だよそれ?!早く言え!ってか…朝からあんな事するな!お前のせいだかんな!」
「分かった。分かったから、服着替えて」
「うるさい!変態!」
久しぶりに会うのに
変態のせいで!
あんな事した後に会うなんて
ムカムカしながら部屋に入り
着替えようとすると
ピンポ~ン
「は~い」
は~い…じゃねぇよ
お前…
コンビニ寄って今って…
あんな事してる時間あったら
さっさと言えよ!
くそっ!
気持ち、鎮めなきゃ
旭陽さんの中では、ずっと可愛い甥っ子のままなんだから
日本離れてから
色々心配かけて
きっと、ずっと心配してて
久しぶりに会うんだから
あれから…
たった数ヶ月なのにな
凄く色んな事あった
部屋から出ると、ちょうど旭陽さんが入って来て
……変わってないな
「あ…旭陽さん、お久し…」
「雪君!」
旭陽さんが、荷物を放り出して飛び付いて来た
変わらない
いつもいつも
沢山可愛がってくれた
「雪君!…雪君…雪君…雪君…」
「あ…旭陽さん…あの…昨日俺…熱出てシャワー浴びてないから…」
「そんなの構わないよ…はぁ~…雪君…」
俺…もう小さな子供じゃないよ?
けど…
小さな子供だった時と同じ様に
何歳になっても、旭陽さんは、会う度におっきな愛情をぶつけてくれる
小さな頃から
変わらない
変わらないでいてくれる人が居るのは
安心する
1年に1回会うだけの
俺のたった1人の親戚
母さんのたった1人の味方
母さんの事も俺の事も
昔から知ってる唯一の人
「雪君…」
凄いね
可愛いね
会う度沢山褒めてくれて
1番辛かった時
傍に居てくれて
守ってくれた唯一の人
いっぱい抱き付きたい様な
そうしてしまったらダメな様な
しばらくそうして、体を離した旭陽さんが
俺の顔の傷に気付いた
もう、ほとんど分からない位なのに
あんなの言える訳なくて
適当に誤魔化しておいた
「雪君、寝ててもいいよ?俺が来るって聞いて起きちゃった?」
「いえ…」
変態が、変態行為してきて起きたんです
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