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「30分前に連絡して来るって、よく考えたら、ちょっと早過ぎだよね?もう少しゆっくり来れば良かったね…ごめんね?」
「え?30分前……いえ…全然…」
旭陽さん…30分前に連絡くれてたんだ
って事はあいつ…
確実に、連絡もらってから変態行為に及んだな?!
チラリと夏を見ると、引きつった笑顔で、旭陽さんをテーブルに誘導する
許さん!
「旭陽さん、何飲みますか?」
「あ、さっきコンビニで買って来たの、適当に飲むよ」
「すいません…ありがとうございます…」
飲み物なんて、買って来なくたってあるだろが!
自分の変態行為隠蔽の為に、旭陽さんパシらせやがって!
旭陽さん、仕事とずっと飛行機乗ってて、クタクタなんだぞ!
「あの…何かあったのかな?」
「あ…すいません。気にしないで下さい」
馬鹿夏!
もう知らない!
夏と反対方向を向いてやる
「雪君、白峰さんと会って、どうだった?」
「あ……良かった…です」
良かったですって
なんか変かな
凄く心配して、ここまで来てくれたんだよね
まだ頭の中整理出来てないけど
上手く言葉に出来ないけど
安心した様な嬉しそうな旭陽さんの表情に
少しずつ自分が思ってる事を伝えていく
言葉に出してみて
そっか…俺、こんな風に思ってたのかって
改めて思う
変なの
「やっぱり自分では、あんまり似てるとは思わないです」
「そうなの?」
白峰さんは白峰さんで
俺とは全然違うと思うけど…
「旭陽さん、旭陽さん。そっくりです。雪の兄ちゃん居たのかと思いました」
「え?そんなに?」
「雪をちょっと成長させただけです」
「へぇ~…」
確かに、夏が最初に会った時もびっくりしてたな
あれ?
あと他にも誰かに…
「あ…そう言えば、美月も白峰さん見て、親戚?って言ってたな」
「誰だって?」
あ、名前出しても、知る訳なかった
「あ…俺の…」
「彼女?!」
「え?」
旭陽さんが、とんでもない事を言い出した
「みづきさんって、雪君の彼女?」
「えっ…か…彼女じゃないです!」
「へぇ~…雪、彼女居たんだぁ」
「い…居る訳ないだろ!」
居る訳ないって知ってて…
何その疑いの眼差し…
「なんで、居る訳ないの?」
「えっ?!」
「雪君、大学生だし、絶対モテるでしょ?彼女が居ても、全然おかしくないよ?」
「い…いや…」
旭陽さん、もうやめて…
「ふ~ん…雪の彼女、みづきって言うんだ。初耳~」
「だ…だから違うってば!友達!バイトの友達!男!」
疑いの眼差しから…
なんか、そっぽ向き始めた
彼女が居るとか、ある訳ないだろが!
「その子じゃなくても、雪君、好きな人居るの?」
「えっ?!…すっ…好きな人……」
そ…それは…
多分…隣でそっぽ向いてる奴の事だと思うけど…
好きとか…他の人に言われると…
「ふっ…居るんだね?良かった」
「~~~~っ…」
恥ずかしい
旭陽さんに、そんな風に思ってる人が居るって知られるのも恥ずかしいけど
夏の隣で、肯定してるみたいになってるのが、恥ずかしい
「その…ちょっと心配だったから…うちの親のせいで、人が嫌いになっちゃったんじゃないかなって……」
旭陽さん…
ばあちゃんの事、気にしてくれてたんだ
「あ……嫌いって言うか…なんか…どうでもいいとか…思ってたんですけど…」
「…その人が…変えてくれたんだ?」
確かに…変えてくれた…けど!
夏の前で言われると…
恥ずかし過ぎて、何かで顔隠したい
夏…こっち見てない?
「ふっ…ごめん。叔父さんに話したい話じゃなかったね?」
あ…旭陽さんは、本当に心配してくれてるんだ
あの日からずっと
突然仕事放り出して、日本に来ちゃうくらい
「~~っ…その人が……泣くから…どうでもいいじゃ、済ませなくなっちゃって…」
「うん…きっと姉さん、喜んでるよ」
恥ずかしい
恥ずかしい
恥ずかしい
夏の耳、塞ぎたい
旭陽さんと2人で話せば良かった
夏、空気読んでどっか行ってよ
「夏君、ありがとう」
「……えっ?!」
「えっ?!なっ……えっ?!」
バレた?!
なんで?!
俺…夏の方見てないけど?
夏か!
パッと夏の方を見る
「へっ?」
あれ?
夏も呆けている
え?
俺…なんか余計な事言った?
「えっと…雪君?」
「いや…違うんです!」
「え?違うって?」
「そうです!同居は、全然関係ないですから!」
夏も参戦する
そうだ
そこは肝心だ
旭陽さんに用意してもらったマンションで、いかがしい事なんてしてないよ!
ちょっと変態が変態行為してくる事あるけど
「えっと…そうだね?一緒に暮らす前から、仲良かったんだもんね?」
「それは、親友としてです!」
「え?うん…あれ?今は親友としてじゃないの?」
「え?」
「ん?…あれ?」
しまった
自爆した
旭陽さん…普通に親友としての話だと思ってた
どうしよう…
夏…
夏の顔を見ると
「はぁ…旭陽さん、実は俺達…今は親友だけの付き合いじゃないんです」
えっ?
突然?!
「え?…と、言うと?」
「な…夏……え…今…」
今、言うの?
ちょっと…心の準備が…
「俺達も、未だに信じられないんですけど、最近お互いの気持ちに気付いて…」
「お互いの…気持ち…」
「つまり…俺達今、恋人同士として、付き合ってるんです」
恥ずかし~~~~!
旭陽さんの前で
俺達恋人同士って
恥ずかし過ぎて、テーブルの下に潜りたい!
「俺達…恋人同士って…夏君と雪君の話?」
「そうです」
旭陽さん…信じられないんだ
ってか、信じなくてもいい!
「…………えっと…えっと……おめでとう」
「え?…あ…ありがとう…ございます?」
旭陽さんが、おかしくなっちゃった
ショックが大き過ぎて
思考回路…おかしくなっちゃってるよ
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