旭陽side

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「ご馳走様。いつも、家事は2人で分担してるの?」 「俺は、あんまり…」 「掃除と洗濯は、お互いに時間が空いた時にしますけど…雪は、出来るくせに料理しないから、ほっとくとあんまり食べないんです」 「余計な事言うなよ!!」 「いい機会だから、旭陽さんからも、言って下さい」 「余計な心配かけるだろが!」 なんだ… 恋人って言うから、ちょっと構えちゃったけど 普通に友達な感じだ 「ふっ…仲良しだね」 「えっ?!そんな事ないです!」 「なんで、否定すんだよ?仲良しでいいだろが」 「夏はもう、黙ってて!」 「はあ?!」 「まあまあ…でも雪君、ご飯はちゃんと食べないと、心配だな」 「~っ…気を付けます」 一応…叔父さんの言う事聞かなきゃとか、思ってくれてるのかな 「まあ、白峰さんにお姫様抱っこしてもらいたいなら、そのままの方がいいかもな」 「なっ?!~~っ!…してもらいたい訳ないだろ?!」 「そう?嬉しそうだったじゃん?」 「恥ずかしかったんだ!」 抱っこって… お姫様抱っこだったんだぁ 可愛い 「白峰さんって、結構体格いいの?」 「いえ…旭陽さんと同じ位です」 「へぇ…じゃあ、俺も雪君の事、お姫様抱っこ出来るのかな?」 「しっ…しなくて大丈夫です!」 「ふっ…冗談だよ」 初めての抱っこ… 随分大きくなってからに、なっちゃったな 「白峰さんに…会いたいんだけど、連絡してもらえるかな?」 「分かりました。白峰さんも仕事あるし、今日の方がいいと思います」 「うん。俺は、何時でもいいから」 父親かぁ 白峰さんにその気があるなら、色々と引き継いだり…… その前に謝ればいいんだっけ?姉さん… なんて言うかなぁ…白峰さん ん? 雪君が…なんだか不安そうな顔で、こっち見てる 「雪君?」 「白峰さん…母さんの事…探したって言ってた…」 「そっか」 「正直、子供…欲しいとは思ってなかったって…」 「えっ…」 そんな事言われちゃったの? 「でもね、無責任だけど、嬉しかったんだって。母さんと喜びたかったんだって、言ってたよ」 「そっか」 「……父さんの事…怒る?」 「………え?」 怒る? 「母さん…妊娠させて…1人で苦労させて……怒る?俺も、ずっとそう思ってたけど…父さん凄く責任感じてたよ?きっと、もし見付けてたら助けてくれてたと思うよ?これからだって、きっと…」 「雪君。大丈夫だよ…怒んない。白峰さんの事、怒ったりなんかしないよ」 「うん…」 怒られるのは 姉さん…って…実質、俺なんだけど… 「雪君の事、近くで見守ってもらえるなら、ちゃんと挨拶しておきたいし、白峰さんもそう思ってくれると思うから、会おうと思ってるだけだよ」 「うん…」 ずっとそう思ってたけど…か その上、初めて会った祖母に、あんな事言われて 父親に対して、いいイメージ…なかったよな なのに、俺に怒られるんじゃないかって 心配するんだ 「白峰さんって、どんな人?」 「えっと…凄く優しくて……とにかく優しくて…それで…なんか安心する感じで……」 「そっか。そんなに優しい人なんだ」 「……雰囲気が…旭陽さんに似てます」 「えっ?俺?!」 びっくりした ここで俺の名前が出て来るとは 血の繋がり1ミリもないよ? 「はい。優しくて…あったかいみたいな…初めて会った時も、旭陽さんに似てるなって、思いました」 「~っ…それは…ありがとう」 そんな風に見てくれてたの? 嬉し過ぎるんですけど… もっかい、ぎゅってしたらダメかな? あ、恋人が隣に居るんだった 「旭陽さん、白峰さんいつでもいいそうですよ?是非会いたいですって。白峰さん家でも、こっち来るでもいいらしいですけど…」 「じゃあ、白峰さんの家に、お邪魔させてもらおうかな」 「分かりました」 出来れば、雪君の居ない所で話したい 白峰さん、悪者にして申し訳ないけど 話して…白峰さんが、雪君に伝えたいって言うなら、それは任せよう 「あ、白峰さん家でも何時でも大丈夫だそうですよ?ただ、白峰さんの友達が居るそうなんですが…」 「友達?じゃあ、友達との用事が済んでからでいいよ」 「いえ…話すと長くなるんですが、その人…俺達の事情知ってて、雪と白峰さんが会う時も同席してたんです」 「え?そうなの?じゃあ、白峰さんが構わないなら、俺はいいけど?」 「………そうですか……大丈夫かな…」 ? 大丈夫かな? どういう意味? 「旭陽さん。年下の俺が言うのも失礼なんですが、白峰さんの友達って…何て言うか…結構失礼な態度取るかもしれないです」 「え?そうなの?」 「はい。何で白峰さん、あの人と友達出来てるのか、不思議でしかありません」 「そ…そんなに?」 「なんか不安なんで、一緒に行きましょうか?」 「あ、俺も行くよ?」 いや… それは困る…ってか 年下にこんなに言われるって、どんだけ? 「大丈夫だよ。一応社会人だし、色んな人と上手く接する技術くらい、持ち合わせてるよ」 「あ…そっか。すいません。でも、その人は、そんなの持ち合わせてないので、気を付けて下さい」 「ふっ…分かったよ」 一体、夏君は何を言われたんだ? 雪君…やっぱ不安そう? 「雪君」 「はい?」 「もし、聞きたいって言ったら、雪君の幼少期…どれだけ可愛いかったのか、伝えてきてもいい?」 「えっ?!幼少期?!」 可愛い過ぎて、写真撮りまくってたし いっぱい見せてあげよう 「え~…それ、俺も聞きたいですね」 「あ、じゃ今度…」 「夏は聞くな!」 「何でだよ?雪の可愛いエピソード聞きたいじゃん?」 「聞くな!」 「えっと…白峰さんには、いいのかな?」 「~~っ…聞きたいって言うなら…いいです」 可愛い もう可愛い 幾つになっても可愛い 「ずりぃぞ~。俺にも聞かせろや~」 「絶対!や!だ!」 「んだよ…ケチケチ雪」 「ケチで結構。俺は、節約が好きなんだ」 「ケチ!ケチ!」 喧嘩が可愛い過ぎる 動画撮っておきたい あ、なんか見守りカメラみたいのあるよね あれ置いとくの、どうかな? あ、でもイチャイチャ出来なくなっちゃうか イチャイチャ…してるのかな… 「ん?旭陽さん?」 「……あっ!いや…さてと…じゃあ行って来るかな」 「助っ人必要なら、いつでも呼んで下さい。そして、あの人の言葉は受け流して下さい」 「ははっ。頭に入れとくよ」 どんだけ? なんか、白峰さんより、その人に会う方が不安になってきたよ
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