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「はやま…」
「うん…白峰、そろそろ寝ような?」
「はやま…キスしてくれたら寝るよ?」
「キスはね…もう、さっきからしてるんだけどね…」
「してないよ!キス…してくれないの?」
「ゔっ…」
すっっげぇ…たちの悪いキス魔だ!
これ…
人前で酔っちゃダメなやつだ
「はやま?キスは?」
「じゃ…じゃあ、このキスしたら、ベッド行って寝ような?」
「キスしてくれたらね」
「ほ…ほんとだぞ?」
「うん♪」
このやり取り何回目だ?
そろそろ俺の理性も限界なんですけど…
何故なら俺も
結構飲んだからです
「んっ…はっ……はぁ…んっ…」
見るな見るな
毎回、白峰の気持ち良さそうな顔見てたら
なんかしてしまう!
声だけで限界!
「さ…キスしたぞ?そろそろ寝ような?」
「はやま…」
「うん。寝るか」
「キスしてくれたら寝るよ?」
うぉ~~!
どうすりゃいいの?!
このエンドレス地獄!
可愛いんだから、何回でもしちゃうだろうが
何回もキスしちゃったら、襲いたくなっちゃうだろうが
「あのな、白峰…俺もそろそろ限界なんだ…眠たいなぁ」
「………はやま…おやすみ?」
「そっ…そう!おやすみしたい!」
「…おやすみ…行こ?」
お?
やっと寝る気になってくれたか
…って!
「あぶなっ…!」
立ち上がった途端、倒れそうになった白峰を、なんとか支える
「あぇ~?めまい…する…」
「それは、眩暈じゃなくて、酒に酔ってんだ。ほら、ゆっくり歩くぞ」
「ゆっくり~…ゆっくり~…」
「そうそう。気持ち悪くないか?」
「すんっごく…気持ちいいよ~」
「ぶっ!…そりゃ良かった」
こんだけ酔ったの、人生初なんかな
こんなに飲む事がなかったのか
飲んでも酔えなかったのか
少しは俺の前でなら
そのままの自分で居られてるのかな
「よし、到着だ。座るぞ」
「とうちゃく?」
「そ。ここで寝るぞ」
「はやまも?」
「そ。俺も」
「うん」
散々キスして
そんな嬉しそうな顔されたら
隣で寝れる自信どんどん失くなってくぞ
「はやま…早く早く…」
そんな可愛い顔で、ベッドぺしぺししないで?
「はやま~…一緒?」
「うん…一緒だから、ちゃんと寝ような?」
「うん…はやま…キスしてくえたあ…寝うよ…」
呂律が…
ほんのちょっとの距離だけど
歩いたせい?
酒回った?
「電気消すからな?」
「いいよ~…はやま…一緒やもん」
「はい…」
ピッ…と
寝よう
俺が構わなきゃ寝るだろ
「はやま…」
無視無視
「はやま?」
無視…無視…
「はやま……寝ちゃった…」
よし、諦めて寝てくれ
ぬおっ?!
出た!コアラ白峰!
手足使って、抱き付いてきた!
「んん~…しゅりしゅり…」
スリスリしないでくれ!
お前の頬っぺた気持ちいいのよ
「はやま…もじょもじょ…」
モゾモゾして、俺の胸ん中入ってきた!
いちいち可愛いな!くそっ!
「ん~…はやまの匂い~…はやま~…」
これ…
絶対絶対絶対
人前で飲ませちゃダメだ!
お持ち帰り決定だ!
「おやしゅみの…はやま……はやまと…いっしょ…」
おやしゅみの葉山って何だよ?
もう可愛い過ぎてダメだ
頭ナデナデしてあげよう
「はぁ~~…はやまのナデナデ…きもちい~」
か…か…可愛い過ぎる!
限界!
限界突破!
「んむっ?はやま…くうしぃよ?」
思いっきり抱き締めたら、白峰がぎゅむっとなった
「これ以上苦しくなりたくなかったら、静かにしろ」
「んはっ…ん~…もったいないかや…」
「勿体ない?」
「はやま…一緒……いっぱい…くっちゅく…」
………頑張ったよ
俺、最大限の努力したよ
でも、これはもうムリ!
「んゃっ!…あ…びっくいした~」
「白峰の背中…触ってていい?」
「いいよ」
「白峰の腰も…触っていい?」
「いいよ…んっ…くしゅぐった…」
「白峰……出来る事したいんだけど…いい?」
「いいよ?」
絶対分かってね~
ダメだろ
初めてなのに、相手の合意なしってダメだろ
そんなん頭では分かってるけどさ
俺の体は、もう白峰の上に乗っかっちゃってるもん
「白峰…キス…好きだろ?」
「うん…ちょうだい?」
「…いっぱいやるよ」
「んっ……はっ…はやまっ…」
そんな嬉しそうな顔したら、知らねぇよ?
「んっ…ん…~~っ…はっ…んっ……~~っ!」
感じてんの?
俺のキス…そんな気持ちいい?
ほんとに感じてるか確かめていい?
「んっ…んん~~っ!!」
キスしたまま、触って確かめると
目ん玉飛び出るかってくらいの顔になった
うん…少しは反応してるな
「んぁっ…はやま……ちょっと…」
「ん?気持ち良くしてやるよ」
「いっ…いい……つっ…つよいっ…」
「強い?もっと優しく?」
「ちがっ…きもちいい…いっぱい……多すぎ…から…」
ああ…
刺激が強いって事ね
何年ぶりの刺激?
自分で義務的にしか出してなかったもんな?
「気持ちいいなら、いいじゃん?出してやるよ」
「むっ…無理!」
「…は?なんで?!」
すげぇ強めの否定じゃん?
ちょっと傷つくぞ?
「はやまは…しゃわんないれ!」
両手で、俺の手どけやがった
ちょっと、酷くね?
「なんでだよ?!俺、お前の恋人だぞ?!いいじゃん!」
「だめ!そんなの、だめにきまってるでしょ!」
「なんで決まってんだよ?!いいに決まってんだろが!」
「………しょうなの?」
「へ?」
あれ?
なんか、急に素直に…
「だめじゃなくて…いいに決まってたら…いいよ?」
「えっ?!マジで?!」
「ん~~…やっぱり…はじゅかしい…」
そう言って、両手で顔隠した
恥ずかしいは…まあ、分かるな
俺だって、白峰に見られんのは恥ずかしい
しかし!
恋人になった以上
恥ずかしいを乗り越えずして、何が出来よう?
「じゃあ、見ない様にするからさ。触っていい?」
「……………」
「あ、いや…無理強いする気はないぞ。ほんとに嫌だったら、やめるけどさ…」
「……………」
「白峰?…そんな考える程なら、止めよう。うん。別にそんな焦る事はないからな。今日は白峰、マトモじゃねぇしな」
「……………」
「…白峰?…お前…まさか……」
電気を点けて
ゆっくりと、白峰の両手を剥がすと
すやすやと、気持ち良さそうに眠っている、白峰の顔が出てきた………
「寝てるんかい?!…はぁ~…お前なぁ…」
「…ん~………はやま…」
人の気も知らないで
にっこりと天使の微笑みを浮かべる
「ふっ…ったく……人の事、散々振り回しやがって…」
違うか
俺が白峰、酔わせたかったんだった
酔っぱらい白峰は、俺の前でだけ限定だ
「おやすみ…」
もう俺も…
ヤル気より…眠気……
ピッ…
白峰の寝息は心地好いBGM
白峰の匂いは安眠アロマ
俺も…
だいぶ酔ってんな…
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