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「お試しは終わりました。成仏しますか?守護天使になりますか?」
「成仏で」
私は即答した。
見守るだけは歯がゆい。
私がいなくても、息子は立派に成長している。
息子にはプライバシーがあって、私に見られたくないこともある。
これらを痛感した私は、成仏を選ぶことにした。
未練なく決めることができたのは、一度、守護天使を体験できたからだ。
「あのドアの向こうが『あの世』です」
天使が指差す方には扉があった。
「ありがとう」
呟きながらドアを開けると、私は振り返らずに中に入った。
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