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__次に佐藤リーダーと会うのが、一週間後でよかった。
サトリーは確かさっき、家族で屋久島旅行に行くとか言ってたっけ。
年に三回のこうした講習会の後、有給休暇をまとめて取得する先生が多いのだ。
だが、それが明けたら、また、顔を合わせなければならない。
しかも、私が上司、彼が部下という妙ちくりんな関係で。
危なかった。よかった。
「お疲れ様でしたーっ!!」
私はもちろん、健気に掃除をして待ってくれているであろう〝ナカノッチ〟のマンションへ。
吉見先生は私の同期のリンリンとお泊り会をするようだった。
サトリーと三上先生は揃って駐車場へ行く途中で、私を駐輪場まで見送ってくれた。
佐藤リーダーとは目を合わせないように、背中を向けたまま「ありがとうございました」と言って、少しフラフラと自転車にまたがった。
スプリングコートの裾の収まりが悪かったけれど、胸元の上までキュッキュッとチャックを閉め上げて、生暖かい夜風をちゃんと防御した。
私は自転車を走らせながら、危険だと思っていたナカノッチとの関係性が、不思議と健全に思えてきていた。
彼は彼女も居るし、遊び人だけど、 …独身だもんな。
ヨシヨシ…、と腕時計をチラッと見た。
まだこの時間は、例えば前回は、一時間以上、私の下半身への愛撫が続いていた。
ちょっと変態気質がある彼との…。
AM2:00。
そう、私と彼にとっては、遅くも早くもない、いつもの時間だった。
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