サトリー

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35であの白髪はどうかと思っていた。 だけど、50って言われるとダンディーでかっこいいんだな。 でも結局、現実は35なんだから、やっぱり老け過ぎだよ。 とても腰の低いオジサマだった。 それでいて、包容力がある。 その春、プライドの塊だった入社一年目の私は、単なる“数字”だけで、彼の上司になっていた。 二ヶ月だけ。 そう私の会社は、教育事業を売りにしていながら、営業数字だけで年齢や社歴もお構いなく、上下関係が二ヶ月ごとに入れ替わる、超体育会系の、超営業会社であったのだ。 もうほとんど忘れてしまったけれど、 脚色のないようにないように、最大限にニューロンを繋ぎ合わせた、 これはそんな、哀しい哉、極めてリアルな、シナプスの物語である。 afc9aac5-ab80-46ea-8da6-f946562212c7
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