「別れの季節」

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「別れの季節」

風が肌をかすめて冷たくなる頃 木の葉は色を変えて 木は静かに葉を落とす 季節が巡るように 『さよなら』 その言葉が滲む夕暮れ 笑い合った日々の影が 長く伸びて、遠くなる 握りしめた手は離れても 心は離れない 道が違えども 一緒に歩いた記憶は輝いていく 涙は別れの終わりではない 新たな一歩の始まり この空の下、どこにいても 同じ風を感じられると信じて この小さく広い、寂しさの中に 希望が密か(ひそか)に眠っている いつかまた会う日を願って
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