壱*一目惚れ

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―「あ!危ない!明日花!」 「え?」 大内組のことを考えていた私は、ついうっかり1人の世界に入ってしまっていて…麗ちゃんの言葉で我に還った。 が、反応した時には既に遅く…。 私は誰かの背中に突っ込んでしまっていた。 「きゃ…っ」 ―ドサッ! ―『つ…っ!痛ってぇ…。』 「…え?」 ふと我に還ると、何故か私のお尻辺りがじんわりと温かくて。 下を見ると、爽やかな赤い茶髪の男の人が寝ていた。 …正確には私に踏まれていた。 「あ…っご、ごめんなさい!お、重かったですよね?本当にごめんなさい!」 私は立ち上がるとその男の人に深々と頭を下げた。 すると何故か頭を撫でられていて。 「…?」 『もう、頭上げろよ。』 男の人は土を払いつつ、立ち上がって言った。 「…ごめんなさい。」 『…謝んなって。俺は何ともねーし。…お前、名前は?』 男の人は優しく笑って聞いた。 「あ、榊 明日花です。」 内心、男の人の優しい笑顔にドキドキしながら答えた。 『そ。榊…明日花。…いい名前だな。…俺は、大内 翔(おおうち しょう)。…今度からは前向いて、気をつけて歩けよ。』
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