壱*一目惚れ

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「…はい…」 大内 翔と名乗った男の人は、友達らしき人と校舎の中に消えていった。 ―「大丈夫?明日花。」 「何が?」 「何がって…今、ぶつかったでしょ?」 「あー…大丈夫。」 私は心配そうな麗ちゃんに笑って答える。 「にしても今の人、カッコ良かったねー。」 「……」 「…麗ちゃん?」 私の言葉に、何故か麗ちゃんは驚愕の表情を浮かべている。 「明日花…知らないの?」 「…?」 麗ちゃんの言葉の意味を理解できない私は、首を傾げた。 「明日花。」 「な、何?」 柄にも無く真剣な顔をした麗ちゃん。 そんな麗ちゃんに困惑する私。 「さっき、アンタがぶつかった男が―大内組の若頭だよ…」 …ああ、さようなら…私の短い人生。 ヤクザの若頭をお尻で踏んづけた罪は大きいに違いないわ… 私、コンクリートに詰められて、海に棄てられるのかな… ―「明日花!!」 …私はあまりの出来事に脳が対応できず― ―倒れた。
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