27人が本棚に入れています
本棚に追加
「…はい…」
大内 翔と名乗った男の人は、友達らしき人と校舎の中に消えていった。
―「大丈夫?明日花。」
「何が?」
「何がって…今、ぶつかったでしょ?」
「あー…大丈夫。」
私は心配そうな麗ちゃんに笑って答える。
「にしても今の人、カッコ良かったねー。」
「……」
「…麗ちゃん?」
私の言葉に、何故か麗ちゃんは驚愕の表情を浮かべている。
「明日花…知らないの?」
「…?」
麗ちゃんの言葉の意味を理解できない私は、首を傾げた。
「明日花。」
「な、何?」
柄にも無く真剣な顔をした麗ちゃん。
そんな麗ちゃんに困惑する私。
「さっき、アンタがぶつかった男が―大内組の若頭だよ…」
…ああ、さようなら…私の短い人生。
ヤクザの若頭をお尻で踏んづけた罪は大きいに違いないわ…
私、コンクリートに詰められて、海に棄てられるのかな…
―「明日花!!」
…私はあまりの出来事に脳が対応できず―
―倒れた。
最初のコメントを投稿しよう!