壱*一目惚れ

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―――――― 翔 side … ―――――― ―[[「明日花!」]] …あーぁ。 あの女、倒れちまった。 粗方、近くにいたあの女の連れに何か言われたんだろうけど。 『榊 明日花、か…。』 面白れぇ…。 あの女なら…俺を満足させられるかもな。 『おい、神野(じんの)!』 俺はあの女たちを心配して眺めている、茶髪の男を呼んだ。 …こいつは神野 疾風(じんの はやて)。 俺の右腕とも言える存在であり、俺の親友だ。 そして将来、次期副組長の座が約束されている男だ。 ―「なぁーに?翔。」 『…決まったぞ、神野。』 「え。まさか…」 『まさか、何だよ。』 「あの()を…?」 『ああ。…髪の長い方だ。短い方じゃないから安心しろよ。』 「でもさ、いいの?あの娘で。」 『決まったって言っただろーが!』 「…分かったよ。(ごう)さんには伝えとく。」 『任せたぞ。』 「でも…可哀想だね、あの娘。」 『なんでだよ?』 「如何にも極道は無理ってタイプだよ?彼女。」 『ばーか。…俺の目に狂いはねぇ。あの女は俺の理想の女だよ。』
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