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「って、何処行くの?翔。」
校舎内に入らず、グラウンドの方へ歩き始めた俺に、疾風は問う。
『あの女のところに行くんだよ。何ならお前も付いて来るか?…知ってるぞ?お前が髪の短い方の女が気になってること。』
「な゛っ…」
俺の言葉に疾風は顔を真っ赤に染めた。
俺はそんな疾風を横目で笑って、小走りにあの女のもとへ近づいた。
『おい。…保健室まで連れて行く。』
「え?」
あの女―いや、榊 明日花の連れが、驚愕の表情で俺を見る。
…そんな顔で見んじゃねーよ。
別に俺は、この女をとって食おうなんて思っちゃいねーよ。
『…連れてくぞ。』
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