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弍*大嫌い
「え…?」
突然のことに、私の頭はついていけない…
『聞こえなかったのか?俺と付き合えって「明日花ー!!」
大内 翔の言葉は、いきなり保健室に入ってきた麗ちゃんによって、掻き消された。
『…しゃーねぇ。返事はまた今度、聞かせてくれ。』
そう言って、大内 翔は保健室から出て行った。
―「大丈夫だった?明日花。何も…されなかった?」
麗ちゃんが私を心配そうな顔で見ている。
「あー…うん。何も…されなかったよ。」
…告白(?)はされたけど。
「明日花、気を付けなよ?相手は大内組の若頭なんだから。」
「うん。分かってるよ。」
私は麗ちゃんに笑いかける。
分かってる…そう言いながらも何故か私の胸は高鳴っていて。
私は毛布で顔を隠すようにしながら、起き上がった。
「麗ちゃん。」
「ん?」
「心配してくれてありがとね。」
「当たり前でしょ?親友なんだからさ。」
麗ちゃんは満面の笑みで答えた。
ゴメンね、麗ちゃん。
大内組の若頭をお尻でふんじゃうような私が、貴女の親友で。
でも、ありがとう。
ずっと麗ちゃんが傍にいてくれる―それだけで私は何があっても頑張れる気がするよ。
私は心の中で、そう言った。
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